すずめのごはん
部屋の横の木が すずめのたまり場のようなことになっていて
以前から、時折、ちゅんちゅんと
井戸端会議の鳴き声が聞こえる。
かわいいなぁ、かわいいなぁ、と思い、
パンの切れ端をちぎって、ベランダに置くようになった。
すずめは警戒心が強くて、
置き初めはぜんぜん減らずにいた。
信じてもらえないのかしら?とさみしい気持ちになったのだが
どこかから様子をうかがっているらしく
しばらくしてやっと、ぽつぽつとパン屑が減っていくようになった。
私は すずめがついばんでいるかわいい姿を見たいのだけれど、
すずめは私が部屋にいない時を見計らって食べるらしく
それも ちょっとさみしい・・・。
別に捕って食べようとしているんじゃないから
ちぎりたてのやわらかくておいしいうちに食べればいいのに・・・と
思うのだけれど・・・。
でも、その遠慮がちで控えめなところもかわいくて、
せっせとパンをちぎっては置くようになった。
いつの間にか なくなっているパン・・・。
そのうち、修道女のような気持ちになってきて
“見返りを求めず与え続ける私”に
ちょっと酔いしれていたりして、清らかな気持ちにさえなっていた。
が。
ある日、カラスがそれをがんがんにつまんでいるのを発見。
え〜〜〜〜っ!ちょっと、タイム〜〜!!と思って、
窓に近づいても、すずめと違ってカラスはどこうともしない。
クイックルワイパーの先で窓ガラスをつんつん叩いても、
カラスは驚きもせず、悠然と
私を窓越しに見たまま、リズミカルにパンを食べていく。
その姿がふてぶてしくて、余計にアタマにくる。
しかも、その日は、よりによって大盤振る舞いで
ロブションのバゲットをちぎっておいていたので、
なおさら悔しいのに、
カラスもそのおいしさが分るのか、
食べるのをぜんぜんやめようとしないのです。
もうもうもう!
なんでアンタが食べるのよ〜〜〜〜〜〜!!
と、私は、窓のこちら側で地団駄を踏むばかり。(←大げさだけど)
そこで、カラスの大きなくちばしでつまめないくらい、
パンを細かく細かくちぎってやるぅ!!と鼻息荒くココロに決め、
それ以後、パン粉のように必死に細かくちぎっていたのだけれど、
ある日ふと、私、何やっているんだか、と思ったのです。
けっこう忙しい日々なのに、パン、こんなに細かくちぎっている場合か?
まぁ、ともかく。
そうやって、絆を深めてきたはずのすずめたちも
最近、一日でもパンをおかずにいると
早朝から、窓の外で喧しい。
ちゅんちゅんどころでなく、絶叫、な感じで
鳴いている・・・
その声が私には、
ちょっとぉ!ごはんがないわよ!ぜんぜんないわよ!
どうなってるのよぉ!!×∞と聞こえる・・・。
おかげで今の私は、その声で目を覚まされる始末。
なんだかなぁ。
なんだか、うまくいかんなぁ。
意志の疎通とか、よかれと思ってやるのも受け取るのも。
カラスの場合なんて、完全にはき違えてたもんなぁ。
気付いてないのか、わかっててやってるのか知らないケド。
それに、控えめだと思ってたヒトが
思いのほか、ばりばりだったり、とか。(笑)
* 写真は偵察に来るすずめ。
屋根のところにいるのが見えますか??
ガラスの向こうに私がいるのを見つけると
30cmずつ横跳びしながら向こうへ逃げていってしまいます。
すずめって、緊張している時には、きゅうん、身体が細くなるのね?

