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『サラダ』の本

手元に、新しい本のできたてほやほやがやってきました。
う〜〜〜〜。キミ、とうとう、生まれたか!
すてきなカタチに仕上げて下さった街の巨匠方に感謝。

表紙は、撮影後に試食していただいた時も皆さんにほめてもらった
トマト、オレンジ、ケイパーのサラダ。
シチリアのイメージで、ちょうど今の時期のような青空をイメージしながら
作ったサラダだったので、表紙にしていただいてうれしい。

今頃のトマトは、
長い長い3つの季節をじっと堪えてこらえて、
一気に爆発したような、
きゅん、という酸味と甘みとが、もうもうすばらしくて、
命が喜んで花開いたようなあざやかなおいしさです。
(トマト好きなもので、
トマトには惜しみない賛辞のコトバを送ってしまいますが)
お塩をぱらりとやって食べるだけで十分おいしいけれど、
青臭いオリーブオイルをちょいっと合わせて、
ケイパーの酸味を足して、
トマトの力強さに負けないような風味のルッコラをはらりと合わせて、
オレンジの風味を少し足すと、
何なの!これは!?というくらい、それぞれの素材の生命力が
お皿から溢れ出ているような、おいしいサラダになります。

あ、トマトは、この一番おいしい時期の風味を味わうために、
冷蔵庫で冷やさないのがおすすめ。
室温でぜひ。
匂い立つような風味が楽しめます。

そのトマトも、夏の終わりになると、種類にもよりますが、
たいていは種の部分も成長し、実はぐんと大きくなって、
舌触りがざらり、としたり、
トマトも熱さにやられるのか、
味わいも間延びしたものが多くなります。
あんなに爆発していたおいしい味のバランスがくずれてしまっていくのは、
なんとも切ないものでもあるのですが。
いっそ、熱を加えた方がおいしいけれど
(ちなみに、イタリアのマンマなんかは、この時期、
大量にトマトソースを仕込みます。)
暑い時期に火を使うのも気がすすみません。
だったら、こういう時は、きん!と冷やして、いっそ、
トマトの持つ水分と冷たい喉越しを楽しむような夏らしいサラダに。

さらに。
寒くなってくると、ココロ無しか、
トマトも所在無さげに見えます・・・。
風味も頼りなくて、まさに実もココロもし〜ん・・・と
おとなしくなってしまったような感じ・・・。
そういうトマトを室温で食べようと、
きん!と冷やして食べようと、ぴん、と きません。
でもそれは当たり前のこと。
そんな時は、少し熱を加えて、じんわりトマトのココロを開かせるような
ホットサラダにしてみましょう。
味も凝縮するし、食べる側の体も冷やしません。

こんな風に、同じ野菜でも、旬の時期とそれ以外では
違っています。
おいしい時期にたっぷり楽しむのはもちろん、それ以外の季節も、
上手に楽しみましょう、ぜひ。
野菜に合わせて、いつもと違う角度から、近づいていきましょう。
冷やすの?室温なの?温めた方がいいの??
酸味を合わせるの?それとも、クリーミーに??
少し甘めにしようか? ちょっとぴりっとしてみようか?
目の前の野菜に問いかけてみて下さい。
それから、自分と、食べさせるヒトの体調や気分にも・・・。

お?? なかなかにうまくいったのではないかしら?
というコトは、何でもないような小さなことのようだけれども、
自分に対して、
とても誇らしい気持ちになることだと、私は思います。
こういうことでさえ、いえ、
こういうことこそが、きちんと暮らす、という日々の気分を
支えてくれることだと思うのです。
部屋は散らかっていたとしても、ね(笑)。
でも、いいんです。
全部きちんとなんて、なかなかできないけれど、
自分の体になっていくものは、きちんとして食べる、
ただそれだけは、と私は私に言い訳しているんです。
晩ごはんの時の、こんな小さな“成功”で、
私は、背筋がしゃん!としたり、口角が上がっちゃったりするんです。
単純ですね〜。


サラダは楽しいです。
元気がでます。
季節を切り取ってお皿に、さあ、ぜひサラダを!

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