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2014年11月11日

煮込みの本

新しい本が出ています。
『少し仕込んでじっくり煮こむ 鍋まかせレシピ』
(学研パブリッシング刊)

がっつり煮こんだり、
さらっと煮こんだりしています。

フランスでは、特に地方ではその昔
朝、畑や牧場へ仕事に行く前に
野菜やお肉類なんかをお鍋にギュイッと入れて
だんろのとろ火にかけていました。
この時使われるお鍋の多くは、マルミットという半球形のもの。
で、お昼に一度帰宅して、かき混ぜたり、
または、その日のお昼として一部を食べて、また材料を足したりして
午後の仕事に戻ります。
そして、夕飯として、またいただく・・・。
これが、煮こみ、で、フランス料理の原点ともいうもの。

フランスで料理の勉強を始めた時に聞いたこの話しが
大好きでした。
とろとろとろとろ、待つともなく煮こまれる料理。
帰宅したときはさぞかし、い〜い匂いだったろうなぁ。
部屋もほんのり温かくて、
煮こむ食材の湯気でいい感じに部屋の空気もしっとりしたのではないかしら?

長い時間とろ火で煮こまれた野菜は舌と上あごでとろりとくずれるように
やわらかく煮上がり、
固い部位のお肉も、力でねじ伏せるのでなく、
その旨味を野菜やソースに移しながら
ふつふつとその固さをときほぐされていくのです。
野菜とお肉の旨味が織りなす美味しさは、
時間にしか作れないもの。

秋や冬、外の仕事ですっかり冷えた指や体に、
あつあつの煮込みができあがっていることは、
どんなにほっとさせてくれたことでしょう?
だから、煮こみ、と聞くと私は、
どうしてもその温かな安心感と
包まれるような幸福感をすぐに思い描くのです。

寒くなってきました。
あつあつの煮込みをぜひ作ってみてください。